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連載/瑪瑙ルンナ5

その頃の私のファミリーについて、ひき続きです。

まず、年功序列で、じいちゃんから。
お米屋をやっていたじいちゃんは、口数の少ない、日本昔話に出てくるような働き者でした。
山口県の農家出身でしたけど、その昔門司港で鉄道関係の仕事をして、「ひとはた上げよう」と移り住んだらしいですが、結局、町のちっちゃいお米屋さんをやることに落ち着いたらしいです。
この米屋を来る日も来る日も、ばあちゃんと、(ばあちゃんが亡くなってからもずっと、お手伝いのおばちゃんと)死ぬまで続けました。
じいちゃんの実家は、めちゃくちゃ田舎で、田んぼしかないようなところでした。自分でも「水飲み百姓」出身といっていたので、決して裕福ではなかったと思います。
じいちゃんにはお兄さんがいて、我々子供が行くと寄ってくるのですが、いつも酒臭く、今から考えるとアル中でしたね。じいちゃんもお酒が好きで、旅行にはかならず「ワンカップ大関とちくわ」を持参してました。
あまり子供といっしょになってふざけりしない、無口でおとなしいじいちゃんでしたけど、一度だけ、遊園地の乗り物で、ロデオの馬を見つけて「小さい頃、裸馬に乗りよったけ、こんくらいはできる」と、自慢気に馬の背中にまたがって、揺れてました。(世間一般に、「じいちゃん」という存在は、遊園地の乗り物に一人では乗らない)その時に思いましたね、「アタシのじいちゃんは昔、カウボーイだったんだ」って。

その寡黙なじいちゃんにくらべると、ばあちゃんは派手でした。米屋なので、まず愛想がよかった。声もはきはきして、明るかったですね。お酒で言えば、ワンカップをちびり、ちびりのじいちゃんに比べると、ばあちゃんは、ダイナミックで、昼間から台所でお酒の一升瓶を持ち上げて、ぐわ〜とクチ飲みしてました。(マジ、アル中ですね。汗)
宴会なんかでも酔っぱらうとよく歌を歌ってました。
それがものすごく上手いんですよ。色も黒くて、そばかすがものすごくありました。はやりモータウンの血がどこかにはいっていたのでしょうか。
何か情熱的で好き嫌いもはっきりしていました。なので人の悪口もしょっちゅう言ってました。
しかし子供には大変な愛情を注ぎました。
いっしょに買い物に行ったら、欲しいアイテムをまず選んで、値段のチョイスがあれば、必ず高い方を買いました。それは玩具屋から、八百屋から魚屋まで、すべてです。
祖父母の家は借家でお風呂もなかったけど、やはり子供達にはいい生活のクォリティーを与えたいという気持ちがあったと思います。

じいちゃんとばあちゃんはお見合い結婚でした。その頃はそれが普通でした。
お見合いの時、ばあちゃんはずっと下を向いたままだったので、じいちゃんはばあちゃんの顔を見ないまま結婚したらしいです。その当時、親の権限は絶対で、お見合い結婚というのは、親がいいか悪いかを決めてオッケーを出すので、ほとんど本人の意志とは関係ないところで、結婚というものが決められていました。
戦前まで自分の人生はほとんど親が決めていたようなものですね。

私が大人になって聞いたのですが、じいちゃんとばあちゃんは「キッス」というものをした事がないと言っていました。その時、「キッス」というものは、西洋のものなんだと悟りました。
おそらく映画などで広まったのでしょうね。
サムライの頃は、そんなものはないわけです。

じいちゃんとばあちゃんは結婚しましたが、子供が出来ませんでした。(理由は聞いた事ありません)
なので、ばあちゃんは、自分の姪を養女にしました。
それがウチの母です。


L*

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